前回の続きとして、今回は星雲、銀河を観るための具体的な方法についてお話を進めます。
結論からすると、星雲、銀河を観望するには望遠鏡とCMOSカメラを使うのが一般的な方法です。
従来は一眼レフデジタルカメラで撮影した写真をPCで画像編集した後、見ていました。つまり観望しているタイミングで星雲の姿をリアルタイムに観ることは難しことでした。
今はCMOSカメラを使うと手軽?に観ることができるようになったのですが、それにしても望遠鏡を覗きながら観えるわけではありません。
実際にはパソコンやタブレットを使って星雲の画像を確認する方法で、これを電子観望と呼んでいます。
具体的には次のような流れになります。
1.CMOSカメラを取り付けた望遠鏡を対象の銀河、星雲に合わせる。
2.CMOSカメラで取り込んだ星雲の画像が一定の間隔(例えば10秒ごとに)でパソコンやタブレットに送られてくる。
3.次々と送られてくる画像を専用のアプリが合成(スタックという)していく。
4.我々は時間とともにはっきりとしてくる星雲の画像をパソコンやタブレットで眺める。
この時間とともに次々と送られてくる画像を合成することを専門的にはライブスタックといいます。
1枚の画像では光も弱く我々の目では星雲の姿は分かりませんが、10秒ごとに撮られた画像を5分間分合成すると30枚分の光で表現できるので、はっきりした姿を確認できるようになるのです。
この、何秒に1枚撮影するのか、何分間スタックするのかは対象の星雲の明るさや、CMOSカメラの感度設定によって異なってくるので試行錯誤しながら決めるようになります。
明るい星雲や銀河であれば短い時間できれいな画像になるし、小さく暗い対象であれば1時間スタックすることも珍しいことではありません。
では、CMOSカメラと望遠鏡、PCがあれば星雲、銀河の電子観望が大丈夫かというと、また新たな条件がでてきます。
それは、望遠鏡のレンズの性能が関係してくるのです。
レンズにはF値といってどれだけ光をたくさん取り込めるかという特性があります。
F値が小さいほど光をたくさん取り込めるのですが、月や土星など明るい星を観るためのレンズはF値が大きくても(10を超える値)影響はありません。が、星雲、銀河を観るとなるとF値が5以下でないと厳しくなります。
つまり、星雲や銀河の電子観望にはF値の小さな望遠鏡でないと難しいということです。
ところで、初心者、入門者が望遠鏡を買う目的はどこにあるでしょうか?それはやはり、「月面のクレータ、土星の輪、木星の縞模様を自分の目で見たい」ではないでしょうか?つまり「土星の輪や木星の縞模様がよりはっきり大きく観たい」ということで、望遠鏡に求める条件は倍率になります。それ以外は考えられないというのが正しいでしょう。
私もまったくその通りでした。
ちなみに、倍率以外に求める条件は価格以外にはなかったというのが本音です。
今となっては望遠鏡に求める条件が複数あると言えます。「惑星を観る」のか「星雲や銀河が観たい」のかその目的によって選ぶ望遠鏡が違ってくることが徐々に分かってきたのです。
私の望遠鏡「Sky Explorer SE-GT102M II」も倍率を200倍程度にまですることはできますが、F値は14で星雲は銀河を観望するには不向きであることが後でわかりました。
前述のように今、初期の目的がある程度達成できているので選択に間違いがあったとは思いません。
思いたくありませんが、これから星雲や銀河を電子観望するにはどうしたらいいのか欲が出てきました。よく言えばステップアップしたいと思うようになったのです。それには、
1.すぐに星雲、銀河を電子観望できる望遠鏡を新たに購入する。
2.お金と時間がなるべくかからない他の方法があるのか勉強しながら検討する。
と考えましたが、
私は2.の方法でしばらく勉強して検討することにしました。
その結果は次の投稿でお話いたします。
それではまた。