天体観測(CMOSカメラで惑星撮影 編)

前回、惑星(土星)をスマホで撮影するお話をさせていただきましたが、結構大変なことがわかりました。

そうは言っても、せっかく観測できた結果を写真、動画に記録しておきたい、ほかの皆さんにもみてもらいたい気持ちに変わりはありません。
皆さんも天体写真はいろいろな場面で見て感動された記憶が多いのではないでしょうか。

では、実際にはどうやってあんな風に写真や動画を撮れるのだろうか?気になりネットで調べてみました。

当然、一眼レフカメラを望遠鏡に直接接続して撮るというのが一般的な方法だとは考えていましたが、カメラを直接接続するその方法や予算の壁があるだろうし、夜空を撮るスキルはそんなに簡単ではないだろうと思っていました。

ところがネットで調べるとCMOSカメラというキーワードがやたら出てきます。私には新鮮な言葉でしたが、特にここ数年で望遠鏡に接続する専用のカメラが普及してきていたのです。

それがこのカメラです。

値段は撮影精度(解像度)や画角(撮影できる範囲)、冷却装置の有無等によって異なりますが、数万から何十万と幅があります。
ただ、惑星を撮影する程度でしたら数万(2~4万程度)のもので役を果たしてくれるようです。

このCMOSカメラはデジカメ(一眼レフなど)についているセンサーの部分だけの機能だと思ってください。
(CMOSの裏側)

センサーで光を電気信号に変換してパソコンにリアルタイムに送信してくれます。
CMOSから受けた電気信号をパソコン側のアプリで映像として映してくれるという仕組みです。

パソコンのアプリはCMOSのメーカーから提供されていたり、ネットでフリーのもが数種類あります。

CMOSにはカメラでいうシャッター速度や絞り、感度(カメラではISO、CMOSではゲインという)などの機能はないのでアプリ側で撮影する対象(惑星や星雲、銀河など)にあわせてその都度行うようになります。

CMOSと望遠鏡の接続も簡単そうです。
いつもの接眼レンズ(目視する側のレンズ)の代わりにCMOSを付けるだけのようです。

 

私も凝り性なので、CMOSカメラを購入してしまいました。
高価なものは手がでないので、3万程度の手ごろなものを値段だけで選んでしまいましたが、惑星の撮影にはかえってそれが良かったみたいです。
安価なものは狭い範囲しか撮影できませんがそのぶん倍率があがって惑星撮影には向くみたいです。

後から気づいたのですが、CMOSの選び方(何を写すのか対象目的による)のサイトやYouTubeがたくさんあります。
しっかり調べてから購入するのがやはりいいです。今は便利な時代ですね。

 

私の望遠鏡にセットした写真です。
上は通常の接眼レンズ、下はCMOSを接続したものです。

 

撮影の流れは次のとおりです。

1.通常通り接眼レンズを付けて対象の星を視野に入れる。
2.ピントを合わせて対象をレンズの中心に合わせておく。
3.接眼レンズを外してCMOSを接続する。
4.パソコンのアプリを起動して映像を画面に表示させる。
5.CMOSに変えたのでピントがずれているので再度ピントを合わせる(望遠鏡で)
6.対象が最もきれいに映るようシャッター速度、感度(ゲイン)をアプリで調整する。
7.シャッターボタン(アプリ)を切って映像、動画を記録する。

望遠鏡側に自動導入(惑星や銀河を自動で視野に入れてくれる)機能があれあば、1~3の操作は自動導入で省略できます。

 

結論として、望遠鏡である程度手軽に(予算と時間)撮影をしたいならCMOSです。
月面をちょっと撮影する程度でしたらスマホで大丈夫でしょう。
天の川、星雲、星団などの写真に大変こだわりを持った精度を要求するなら一眼レフカメラを望遠鏡につなぐようになるのではないでしょうか。

私は今、CMOSカメラでの天体撮影(今は惑星のみ)にはまり込んでいます。
これからはどうなるでしょうか。

ここで、CMOSカメラで撮った土星と木星の動画のせておきます。

観測日:令和6年1月
望遠鏡:Sky Explorer SE-GT102M II
CMOS:ZWO ASI224MC

 

 

動画で対象のピントがずれたり揺れているのシーリングという現象で、大気の揺れの影響です。
特に冬場でこの現象がよくおきます。

これからますます天体にはまり込みそうな気配がしますが・・・。

それではまた。